『A熱いのを一発(HOT STUFF)』

姫子


俺の頭の中じゃ、蕩けるような甘い声を上げて腰を振るアイツが手招きしてるぜ。
普段のふてぶてしい態度と素っ気無い目つきからは想像も出来ないアイツの姿。
アイツが俺の腕の中で堕ちる瞬間。
素直で厭らしいメス猫になる瞬間。
ああ、それがたまらないんだ。

どこに行った?俺の子猫ちゃん。

普段は可愛げのないヤツなんだ。
可愛い顔して生意気で、愛想笑いのひとつもしやしねぇ。
いつもひとりでつっぱらかって生きてるみたいな顔してさ。
誰の助けもいりゃしねぇって、背筋を伸ばして、なかなか胸のうちまで見せやしねぇぜ。
それでも抱きしめてキスのひとつも交わしてみれば、ネンネの少女みたいにはにかんでみたり。

こんな月の夜は浜辺で踊ろう。
ドレスを脱ぎ捨て腰をフリフリ。

ボタンをはずしているときは、まだ怯えた顔さ。
キスの雨を降らせて、子供っぽい甘い匂いを嗅ぐ。
そうヤツはまだ、子供。
でも、滑らかな肌や柔らかい膨らみに触れていれば、そんな少女の目に狂気が宿る。
子供からイケナイ大人に変身するのさ。

そろそろ始めようDANCEの時間さ。
熱いのを一発、これが一番大好き。

さぁ、負けず嫌いのヤツの甘い声が聞こえてきたぜ。
食いしばった唇から漏れる吐息に俺の体も蕩けそうさ。
もっといい声で鳴いてごらん。
その白い、腕も足も俺に絡めて感電するんだ。
その大きな目で、俺を見ていっちまえ。

飛べ飛べどこかに、稲妻みたいに。
最後におくれよ、頬に甘いKISS。

そしてアイツは俺に背中を向けて眠るのさ。
その後の甘い時間もおねだりできない不器用なヤツ。
まるで俺が無理矢理ヒドイ事をしたみたいに、涙を浮かべて恨めしい顔。
扱いづらい子猫なのさ。
派手なDANCEを踊ってみせたのはオマエだぜ?

そろそろお休み、ネンネの時間さ。
お前の寝顔はまるで悲しいサーカス。


おわり


■ 作者あとがき

終りー。
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