IUNDER THE GUN 〜市街戦〜(by 「叛‐REBEL‐」)
廃墟と化した街。
崩れ落ちたビルディング。
赤いレンガのバリケード。
人気ない通りに舞う赤い土埃。
この通りも以前は家族の微笑や恋人達のKISSに希望が溢れてた。
俺は迷彩色のヘルメットを脱いだ。
肩に担いだマシンガンを降ろす。
俺達が殺した。
俺達の国が壊した。
目の奥に戦火の下逃げ惑う人たちが浮かぶ。
泣き叫ぶ子供。
誰かの名を呼ぶ女。
ラジオからの臨時ニュース。
クリスマスツリーのように夜空が燃えた。
今は何も残っていない。
全ては崩れ、悲しみだけが支配する。
俺達は勝ち。
彼らは負けた。
それだけのこと。
それが戦争。
勝った者が正義となる。
崩れ落ちた瓦礫の中を歩く。
ブーツがじゃりじゃりと音を建てる。
わずかに残った建物の壁の向こうにまわったとき。
こちらを見つめている少女がいた。
俺は慌ててマシンガンを持ち直し、少女に銃口を向けた。
相手が女でも子供でも、ここは戦場。
銃口を向けられても、少女は身じろぎもしなかった。
ボロボロのカーキ色の布切れを、頭から身にまとって。
じっとこちらを見て立ち尽くしている。
布切れの下からのぞく顔は煤に汚れて。
綺麗な女の子だ。
そう思った。
抜けるような真っ白い肌と、大きな目。
戦場でなければ。
戦いがなければ。
間違いなく幸せな一生がおくれたであろう、美しい少女。
少女はゆっくりと腕を上げ。
意外な位力強く真っ直ぐに空を指差した。
少女の目は涙に濡れていた。
それが何を意味していたのか、俺にはわからなかった。
ただ、俺は銃口を向けたままゆっくり彼女に近づき、彼女の腕を後ろ手に縛り上げた。
少女は捕虜となった。
それが戦争。
ここは戦場。
それだけのこと。
おわり
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